2010年9月18日

平成22年度第2回日本獣医寄生虫学会評議員会・総会議事録


 日時:平成22年9月18日(土)11:00~12:00
 場所:帯広畜産大学 第3会場


 会議に先立ち、故 板垣博 元日本獣医学会寄生虫病分科会長、故 藤幸治 会員に黙祷が捧げられた。

報告事項:

1.  庶務関係について(庶務担当理事 辻)

  平成22年度第1回理事会、第1回総会議事録の配布を行ったことの報告があった。2010年1月1日から8月31日までの会計報告、入退会者の報告およ び、2010年8月31日現在の学生会員状況について整理およびリストを作製したとの報告がなされた。その他の項目として、JSTへの会誌登録について報 告があった。また、平成22年6月に一般市民から質問があり、理事会として問い合わせを受けたことが報告された。今後は、理事会において日本獣医寄生虫学 会の社会貢献として質問に対応していくこととし、その対応に際しては、庶務理事が担当し、評議員以上の先生方に協力をお願いしたいということで要請があっ た。

2.  日本獣医学会関連事項

 1)日本獣医学会理事会報告(今井・片倉)

 以下の項目について報告があった。
  1) 各賞(農学賞・越智賞等)の推薦人が決定。
  2) 第149回日本獣医学会学術集会収支決算報告。
  3) 第150回日本獣医学会学術集会分科会企画支援費の交付額が決定。
  4) 第154回日本獣医学会学術集会開催機関が岩手大学で決定。
  5) 会員管理システムについて、コンピュータ管理による名簿のデータベース化が決定。
  6) 新法人(公益法人)への移行が決定。
  7) 学会企画、学術集会およびプレナリーセッションの見直しが審議された。
  8) 臨床分科会演題登録が無いことについての検討、来春演題募集が行われないことが決定。
  9) 男女共同参画委員会・若手研究者支援委員会からの活動報告。
  10) 学術担当委員会からの報告。(疾患名用語集第1次案の手直しおよび第2次案の作製、獣医学雑誌のinvited reviewの増加およびHP拡充の提案、コア・カリキュラムに関する共用テキスト制作の提案)
  11) 来春2月日本獣医師会獣医学術集会年次大会において日本獣医学会とのコラボレーション企画が開催され、日本獣医寄生虫学会からも複数名が講演予定。

 2)日本獣医学会分科会長報告(松本)

 以下の項目について報告された。

  1) 畜産大賞・農学賞・越智賞など各賞について、獣医寄生虫学会HPを通じ各賞の本学会からの推薦者を公募する。
  2) 所属会員の管理システムによるデータベース化に関連し、来春3月までに各会員の所属分科会、専門部会の確認が行われる。
  3) 学術集会の在り方検討会より、今後の学術集会の在り方について、今後、会員の意見が求められる。

 3)日本獣医学会用語委員会報告(今井)

 現在疾患名用語集2次案が検討されていることから、既に公開されている第1次案における疾患名称をチェックすることが依頼された。

3.  編集関係について(板垣)

  獣医寄生虫学会会誌9巻1号についての進捗状況について報告があった(現在最終校正の段階にあり、1月中に配布する予定。内容は、総説5編、学会参加記1 編、プロシーディング29編、総80ページ)。また、9巻2号については、今年度内の発刊を目指していること、会員へのプロシーディング執筆の依頼、会誌 の企画等について要望を受け付けているとの報告があった。

4.  渉外・広報関係について(辻)

 1) 第151回日本獣医学会学術集会・日本獣医寄生虫学会(東京農工大学、平成23年3月30日~4月1日)について、企画内容
  2シンポジウムが決定。
  ①分科会シンポジウム「ヒトからみた人獣共通寄生虫症」3時間、4名のMDの先生にて決定(金沢大・所、奈良県立医大・吉川、感染研・大前、都立墨東病・大西、敬称略)。
  ②獣医寄生虫学奨励賞受賞者によるフロンティアセミナー。
 2) 第152回日本獣医学会学術集会・日本獣医寄生虫学会(大阪)の企画は一般口演のみを予定。
 3) ICPAXII学会において、本学会会員である嘉糠・後藤両先生によるセッションが行われた。
 4) WAAVP23については、特段の進捗がない。
 5) 2011年獣医寄生虫学奨励賞の公募が、本総会終了後HP上で行われる。会員への積極的な応募の依頼が行われた。
 6) 獣医寄生虫学会HPおよびMLの運用に関し、正会員ML加入数が12名と少ないため、評議員からの正会員のML加入の催促が依頼された。

5.  教育問題について(教育委員会担当理事 片倉・野上)

 「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」の審議内容の総合報告として、現在までの推移と今後の予定の概略を野中教育担当委員から説明が あった。

 1) コア・カリキュラム第一次案 http://plaza.umin.ac.jp/~vetedu/cur/public_comment.htm 中の「コアカリにするかどうか不明」とされた白抜三角(△)の項目に対し、「コアにすべきではない」というパブリックコメント(20名中3名)があった。その為、2次案についても同項目は白抜三角(△)としたことから、最終的にコアにはならない。
 2) 「割り当て単位数」に関し、「目安単位数の申し立て」を調査研究委員会委員長に提出し、「3単位」を口頭で提示された。1単位が20項目であることから、 2次案の69項目は単位数的には多い。今後は2次案に対するパブリックコメントの募集が行われる予定。
 3) 「教育実習の在り方」に関する1次案によると、以下5項目が実習内容として大別されている。①顕微鏡操作②原虫形態観察③蠕虫形態観察④節足動物形態観察 ⑤寄生虫学検査法。ただし、材料や標本は大学間で偏りがあることから、標本が無い虫種に関してはスライドによる講義を中心に行ってよいこととなっている。 今後はこの1次案についてのパブリックコメントの募集が行われる。
 4) 「獣医学共同教育課程について」現在、北大―帯畜大、鳥大―岐大、山大―鹿大間で、共同教育構想が立ちあげられている。共同教育課程設置後はコアカリに準 拠した共用テキストが使用されることとなるので、コアカリ(キーワード含む)に関する意見を積極的に募集する。
 5) 松本理事長より、「モデル・カリキュラム」に関し、日本獣医寄生虫学会として、調査委員会より先行してモデルカリキュラムを作成し、日本獣医寄生虫学会 HPを介して評議員・正会員の先生方へ意見を求めていきたい。獣医寄生虫学会として、委員会より意見の募集があればすぐ対応できるようしておきたいことか ら各大学先生方にはモデルカリキュラムに目を通しておくよう再度依頼がなされた。

審議事項:

  1) 来年度事業計画として、獣医寄生虫学奨励賞を行うこと、また第151回学術集会では、分科会主催のシンポジウムと奨励賞受賞者によるフロンティアセミナー および一般ポスター発表、第152回については一般口演のみとすることが、評議員会・総会に諮られ審議の結果承認された。
 2) 平成23年度獣医寄生虫学奨励賞選出方法と副賞について、評議員会・総会に諮られ審議の結果承認された。応募締切が本年10月31日であることから、若手会員と学生からの応募が依頼された。

その他:

 酪農大浅川先生より獣医学会と獣医師会合併の議論がどうなっているのか質問があった。これに対し、獣医師会大会来春のコラボレーション企画として、シン ポジウム「日本寄生虫学の現状と展望」(案)を行うことが報告された。